職業 : ジャニヲタ

徒然なるままに。1人のジャス民の頭の一部。


先日のベストアーティストでの田口くんの言葉一つ一つ。そしてその後のKAT-TUNのパフォーマンスに私はまたファンというものの虚しさを感じてしまった。
と共に、ふと、濵田さんを初めて生で見たときのことを思い出した。思い出してしまった。

それは、2011年5月のマーチングJ ジャニーズチャリティー野球大会の日のことだった。そしてそれは、私が初めて濵田さんを生で見た日であると同時に、相方を失った濵田さんが初めて公の場に姿を現した日でもあった。
当時JUMP担で、その裏でコソコソと関西Jr.を応援し、BOYSというものを目の当たりにしたことがない私にとってでさえ、大智くんの存在は大きくかけがえのないものだった。
でも、あの日、4年前のあの日、東京ドームにユニフォーム姿で現れた彼は、笑っていた。あの広い会場の後方列からそれを見た私には、その笑顔が晴れ晴れしていたのか、はたまた引きつっていたのかは確認出来なかったが、彼が確かに笑顔を浮かべ、こちらに手を振っていたことは紛れもない事実だった。

これがアイドルという職業なんだ

だからこそ、素敵であるはずの濵田さんの笑顔が恐ろしく感じた。笑える状況じゃないのに、きっと笑うしかなかったんだと思う。
そして、私たちファンはファンで、その場で何か言うことは出来ないし、暗黙の了解で許されてなどいないのだ。

はまちゃんがんばれ!
大智くん必ず戻ってきて!
BOYSは永久不滅だよ!

心の中に誰もが抱え、他人やネットにぶつけることのできる言葉たちは、本人を目の当たりにすると無かったように萎んでいってしまう。
そういう世界を改めて感じてしまった。そのとき私は、ファンであることは、それ以上でもそれ以下でもないのだと恐ろしいほどに自負してしまったのだ。

それでも私は、濵田さんをBOYSという鎖にくくりつけようとした。
BOYSのあの曲を歌ってほしいこの曲を歌ってほしい。
ジャニーズWESTというグループの一員になった彼にも 元BOYS というネームプレートを無理やり首からかけさせたがった。

でも、もうそれはやめようと思う。

はまちゃんはBOYS
BBVは永遠に10人
7WESTは永遠に7人

その気持ちを誰かに押し付けたり、彼らに伝えようとしたがっていた自分からは卒業しようと思う。
ジャニーズWESTである彼らを真正面から見てあげたいと、心から思う。

応援していた人が突然いなくなってしまう。
そんなことは今まで何度もあった。その都度、悲しみ苦しんだ。
じゃあ、なぜ今回の件で私は今までの自分から卒業しようと思ったのか。
それは田口くんの言葉を聞いたからではない。
亀梨くん、中丸くん、上田くんの顔を見たからだ。
残されたものたちの顔を。それでも、アイドルとして最高のパフォーマンスをしなければいけない人たちの顔を。きっと数ヶ月前からこうなることを知っていて、それでも隠して私たちを笑顔にしてくれていた人たちの顔を。そしてこれから沢山の人に謝り続けて活動しなければいけない人たちの顔を。
何も田口くんを責めているわけではない。
その3人の顔に、あの時の濵田さんの面影を重ねてしまったのだ。
10人最強と言われたBBVから、1人消え、もう1人消え、もう1人…そして残された濵田さん、淳太くん、文一くん、龍太くん、そして幾つもの去りゆく背中 無力な自分 と歌った照史くんの姿。不自然なまま7WESTとして、全員で4人なのだと言ってステージに立ったしげ、神山くん、流星さん、のんちゃんの姿を私は思い出してしまった。

田口くんからの発表の後、多くの関西担が口を揃えこう言った。

金内を思い出す。

でも、私が思い出したのは金内ではなく康二のほうだった。

そして、また、ファンの無力さを感じてしまったのだった。

ファンの皆さんは恋人です。
ファンの皆さんは家族です。
いつも心は一つです。

恋人だ
家族だ
などというのは一つの比喩表現にすぎなくて、私たちが恋人や家族と同等な権限を持っているわけではないし、それと同じ責任を担うことは許されないことであり、不可能だと私は思う。
私たちがいくら彼らと一つになりたいと思っても、それは叶わぬ夢だとも思う。
アイドルとファンという関係性は、やっぱりそれ以上でもそれ以下でもないのだ。
私は彼らの立場に立ったことがないから、実際問題どの程度私たちが彼らの支えになれているのかは分からないけれど、ファンは彼らを作る数千数万の要素の中の一つに過ぎないのだ。
それならその一つとして、彼らを心から応援したいと思う。全てを犠牲にしてもアイドルでいることを選んだ彼らの有志にずっと大きな歓声と拍手を送り続けたいと思う。
彼らのためにやっている。そう信じ続けていることが本当に彼らのためになっているのか、考えざるおえない一夜だった。